3月9日 苦い春

レミオロメンの3月9日を聞くと
このCDが発売された頃でもある、
高校卒業の春を思い出す。
晴れやかな春ではなく、苦い春を。


私はセンター試験で失敗し、
国立大の受験をあきらめ
私立大に絞るものの、どこも補欠合格で
最終的には大学見学も行ってない「すべりどめ」と思っていた大学にしか合格しなかった。

浪人は許されていなかったので
選択肢はその大学のみ。
「いい大学」に進学することを望んでいた親は
具体的な言葉にはせずとも落胆していて
「合格した!」という祝福ムードは一切なかった。

そして
通っていた高校は進学校だったこともあり
卒業の時期、周りの状況は
私立難関大or国公立大に合格しているか
浪人を覚悟で後期試験まで頑張ろうとしている友達がほとんどだった。

勉強を頑張れなかった自覚があった私は
一生懸命な友達をみて情けなくなったし
中途半端な状態の自分がものすごく嫌だった。

「それでも受かった大学があったからよかったじゃないか」
「これが私の実力なんだ」
と思おうとする反面
ぐるぐるぐるぐるいろんな思いが駆け巡る。

当然、必死に頑張っている友達にそんな気持ちを吐き出すわけにもいかない。
家でそんなことを言ったら「自業自得」と言われて終わり。

それでも誰かに聞いてほしいと思っていた時に
高校に実習生としてきていた先生から
「進路はどうなった?」とメールがきた。

本当は
抑え込んでいた気持ちを聞いてほしかったけれど
文字にするのも苦しくて
「行きたかった大学は全滅でした。滑り止めで受かった大学に行きます。」
とだけ書いて送った。

慰めの言葉がくるのだろうな、
となんとなく思っていたのだけど
メールの返事には
想像とはちょっと違う角度の
こんな言葉が綴られていた。

===
行きたかった大学にもし合格していたとして、
これからの大学生活が楽しいものになるかどうかは
今の時点ではわからない。

同じように、
行きたくなかった大学に行ったからといって、
大学生活が楽しくないとは
今の時点ではわからない。

今から行く場所が後悔する場所になるか、
それとも行ってよかったと思える場所になるかは
これからの自分の行動次第。
そこで何をするか、自分は何ができるか、だろ?
===

正直そのときは
「厳しいことをいうなぁ」と思ったし
もっと優しい言葉がほしかった、とも思った。

だから、気持ちをすぐ切り替えられたわけでもなく
悶々とした気持ちを抱えたまま春休みは続いた。


仲のいい友達たちの受験が終わるまで
時間だけはありあまっていたし
家にいてもなんとなく居心地が悪いのもあって
春休みは図書館に通った。

毎日毎日、単行本を5冊くらい借りて
読んでは返し、を繰り返す日々だった。
読書にのめりこむことで、現実逃避をしていたのもあったと思う。

でも、実習生からもらった言葉は
頭の片隅に常にあった。

だから、読書をして現実逃避をしながらも
「私は大学生活をどう過ごしたいのか。何を得たいのか。」
をぼんやり考えるようになっていた。


実習生にもらった言葉は
じわじわと私の中に春休みの間で染み込んでいって
大学に入ってからの私の行動を変えた。

春休みまでは大学で友達を作る気すらなかったけど
入学した頃には
「大学の資源を最大限にとことんいかしてやろう」
と気持ちが変わって
先輩達とも関わるチャンスができると思って
ゼミ(1年次からあった)の責任者に立候補した。

同じゼミ生から誘われたボランティアキャンプやイベントにも積極的に参加するようにした。
そうしたら、そこでの姿を見た先輩から
「多分、ちかに向いてると思う」と
今度は外部のボランティア団体のキャンプに誘われた。

そのキャンプで担当することになった子ども達が、
アスペルガー症候群や
いわゆるグレーゾーンと呼ばれる小学校低学年の子ども達だった。

ここで出会った子ども達をきっかけに
「もっとこの子達と一緒に過ごしたい!」と
ボランティアの定例活動や季節のキャンプの運営に関わるようになった。

今「天職だ」と思える仕事ができているのも
学部時代に出会った人や子ども達のおかげだと思う。

実習生からの言葉がなかったら
「こんなはずじゃなかった」
と不満と後悔を抱えながら
やさぐれた大学生活を送っていたにちがいない。

ちなみにその後に進学した大学院は、
大学受験であきらめた国立大だ。
リベンジで受験したわけではなく
「とりたい資格とやりたい研究ができる場所」を探した結果だったわけだけど
もし学部から第一希望の大学に通っていたら
今の道には進んでいなかったのではないか
と思ったりする。

図書館の行き帰り、考え事をしていた時、
MDウォークマンでずっと聞いていたのが
レミオロメンの3月9日だった。

だから
毎年3月9日になるとあの頃のことを思い出す。

そしてあの頃のことを思い出しながら
自分に問うのだ。

今いる場所でできることを精一杯できているか? と。

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