一人旅が好きだ。
「いつも一人なのに?」と言われるのだけど、それでも「一人になりたい」と思って、旅行へ行く。
初めての一人旅は、高校3年の夏。
行き先は北海道。
目的は大学見学のためだったので、旅とはちょっと違うのだけど、一人で飛行機に乗ったり泊まったりするのは初めてだった。
大学見学の記憶もぼんやりあるけれど、それ以上に一人で泊まったこと自体のほうが思い出深い。
宿泊したのはビジネスホテル。
方向音痴の私のために、父がものすごく細かい地図や行き方を書いてくれて持たせてくれていた。
「駅から徒歩1分。目の前がホテルだからどんなに方向音痴でも大丈夫だろう」と言われていたけれど、見事に迷った。
寂しくなるのでは?とも思ったけれど、そんな気持ちには一切ならず、むしろのびのび楽しむ自分がいた。
朝はビュッフェ形式だったのだけれど、サラリーマンが多い中では異質だったのか、ホテル側の配慮だったのか、とても丁寧にスタッフが声をかけてくれたのを覚えている。

2回目の一人旅は、大学1年生の冬。
ちょうど2月のこの時期、伊豆方面へ行った。
理由は失恋。
とてもわかりやすく、ありがちな理由。
当時、いろんなことがうまくいかなくて
「え、こんなことある?」ということが続いた後の失恋で、それはもうボロボロだった。
どれだかボロボロだったかというと
通学途中で工事現場のおじさんに「お姉ちゃん!大丈夫か!死にそうな顔してるぞ!」と言われるレベル。
カラスに頭を掴まれたのもそういえばこの時期だ。
カラスも何かを感じ取ったのだろうか・・・。
(この失恋は人生のネタにして昇華した)
なぜ一人旅という思考になったのかは正直はっきりとは覚えてないのだけど、失恋して1ヶ月くらいがたって「そろそろ自分を立て直したい」と思ったからだったように思う。
その時は、「海が見えるところ」という条件で伊豆方面に行った。
移動中の電車・ホテル・海を見ながら、ノートにつらつら考えていることを書いて過ごしていた。
時々、持って行ったインスタントカメラで写真も撮った。
すっきりさっぱりしていく感覚が心地よかった。
「自分のことを誰も知らない場所にいる」ということが、とても自由な気持ちになれることを知った。
この旅以降、一人旅の時間がすごく好きになり、ちょこちょこと行くようになった。
大学院時代は、研究生活に苦しくなり、「どこか遠いところへ行きたいんだけど・・・」と友達に呟いたその日の夜に予約をして、次の日には金沢へ行ったこともある。
「海がみえるところor朝焼けが綺麗に見える場所が近かったら最高」という条件でいつも泊まる場所は探していた。
当時の旅先での過ごし方は、行ってみたかった喫茶店・本屋さん・美術館があった場合は立ち寄ったりはするけれど、観光はほとんどしない。
することは読書と考え事を手帳に書くこと。

実は、ここ数年は一人旅をしていなかった。
自分でも想像していなかった人生の展開があって(自分で決めたことではあったけど)、そこからしばらくはそんなエネルギーも余裕もなかった。
それがここ1、2年でまた行くようになった。
行けるようになった。
再び一人旅をしようと思ったのは、「今後の仕事についてがっつり考えたい。」というのが理由で、「一人になりたい」というのがメインではなかったのだけど、久しぶりの旅の後「一人旅、最高」となって今に至る。
最近は、年に2回くらい行けたらいいなぁと思って計画している。
場所はいつも伊豆・湯河原あたり。
旅に向かうまでの、電車で聴く音楽の最初の一曲は、大学生の頃からずっと一緒。
くるりの「ハイウェイ」。
電車に乗って、この曲をかけるとほっとする。
やっと一人になれるって毎回思うのだ。
過ごし方は変わらず、考え事(を書くこと)と読書メイン。
内省が捗るし、書くことと読書は、普段だって毎日のようにしていることだけど、環境が違うと全く違う時間になる。
最近毎回同じ場所に泊まっているのだけど、そこは三食全てメニューも決まっていて時間も最初に決めることができるので、宿泊中に「ご飯どうしよう」と考えることすらしなくていいのがとてもいい。
そろそろ行きたい、一人旅。
この季節はそういう気持ちになる時期なのかもしれないな。